栃木市 嘉右衛門町(かえもんちょう)
ヒト匙+(ヒトサジプラス)
藤原 順子 さん

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洗練された空間に生活品が並ぶ

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栃木市は嘉右衛門町にある生活品のお店(ヒト匙+)の店内。

モルタルの壁のスッキリした印象の空間に、オーナーの藤原さんが選んだ作家さんの作品や、品質の良い器やグラス、バッグやアクセサリー、小物などの味のある生活品が並んでいて、洗練された雰囲気。

 

 

もとは設備屋さんだった物件を木工職人さんと改修

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改修は、もともと藤原さんのお店にある木のお皿などの作家さんであり木工・家具職人の”ki-raku(き-らく)”中里さん(日光市今市)と行った。

お店を一緒に作ってくれる方とのコミュニケーションが大事だと思いました。」と話す藤原さんは、もともと信頼があり自分のお店のテーマやテイストも良く理解してくれている方にお願いすることは自然な流れだったという。

 

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入り口のサッシはもとからあるものを塗装した。

落ち着きつつかわいい感じもあるブルーグレーの塗装だが、お店がある嘉右衛門町は”国選定重要伝統的建造物群保存地区”であるため使用できる色に制限がある。

当初、白かグレー系のどちらかにしたいと思っていたが白は使用してはいけないということだった。グレーを選ぶことにしたが、指定されたグレー色は藤原さんのイメージと違うものがあり、何度も市の窓口に足をはこんで交渉した末に、今のブルーグレイの色くらいだったらということでようやく認めてもらうことができたという。

 

建物内 壁と床

建物内部は床や内壁のクロスなどを剥がし、洗浄するところからはじまった。

地のモルタル面(コンクリートのようなもの)を露出し、綺麗に清掃した。

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この改修の1番大変だった点は?との問にも、「床と壁を剥がして綺麗にするのが大変だったんですけど、取りあえずがんばって綺麗にしたら地のモルタルの床と壁が意外にも雰囲気がいいってことで、これを活かすことにしたんです。」と話す藤原さん。

床を綺麗にするだけで1週間ほどもかかったという。

 

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一方、建物内部の奥は小上がりになっていて、もともとは住居部分だった。

こちらは木の板でステップを造り、仕上げた。こちらは建物の前半分のモルタルのスッキリした印象とは変わって、暖かく癒される印象。

この床材には広島で見つけた足場用の板を使いたいと決めていたという藤原さん。現場で使い込まれた味のある雰囲気の板だが、ペンキがついている位置など、どの板をどこに置くかもこだわって決めた。

 

 

 

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(木のランプシェードはki-rakuさんの作品)

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写真は店内からみた嘉右衛門町の通り、情緒ある借景だが冬に雪が積もった時の様子は絶景とのこと。藤原さんのこの建物の好きなところのひとつだという。

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レジカウンターの上部にもともとあった換気扇。建物の入り口のサッシと同じ色のブルーグレーで塗装したものだ。

もともとこの建物にあった古いものなのだが、綺麗にして細いワイヤーでスイッチを取り付けた(写真では見えにくい)。昔ながらの形で、こちらもオーナー藤原さんの密かなお気に入りだという。

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藤原さんは2013年頃に周りのいくつかの新しいお店と同じタイミングでお店をはじめたそうで、周辺の地域一帯と助け合いながらこれまでもやってきたという。

実は数年前に別な場所での店舗で火事を経験した藤原さん。建物も商品も失ってしまい、精神的にも辛かった時期があるという。その時も片付けを地域の方々が一緒に手伝ってくれたり、色々と支えてくれたという。

嘉右衛門町は建造物保存区域であり昔ながらの建物が多く残っているエリアだが、地域の繋がりや助けあいの心なども昔ながらのものがあるという。

 

また、藤原さんは”クラモノ。”という嘉右衛門町を中心とした建造物群保存地区を舞台に個性豊かなお店が集まるイベントも行っている。

このイベントは、こちらの藤原さんのお店の建物を含めて、嘉右衛門町の一帯が会場であるイベントなので周辺の昔ながらの建造物も楽しめるイベントだ。

藤原さんの情報

藤原 順子 さん

ヒト匙+(ヒトサジプラス)
栃木県栃木市嘉右衛門町4-3
OPEN:11:00-16:00(月曜休み)
TEL:0282-51-2574
Blog:http://sajiplus.exblog.jp/

関連リンク

【公式】クラモノ。栃木市・嘉右衛門町
『ki-raku』*original furniture*